太陽光発電の発電量が減った?原因、対策、費用まで分かりやすく解説
太陽光発電システムを導入したものの、「最近、発電量が減った気がする…」「これって故障の前兆?」と不安に感じていませんか。
太陽光発電の発電量低下には、パネル(モジュール)の汚れといった単純なものから、システムの劣化や故障といった深刻なものまで、様々な原因が潜んでいます。原因を正しく理解し、適切な対策を講じなければ、知らず知らずのうちに経済的な損失が膨らんでしまうこともあります。
そのお悩みは、太陽光発電を知り尽くした専門家にご相談ください。宮崎県で 2013年創業以来、太陽光発電の開発から保守・管理までを手掛けてきた私たち宮崎電力は、発電量低下の原因を正確に特定し、最適な解決策をご提案します。
この記事では、発電量が低下するあらゆる原因を徹底的に掘り下げ、ご自身で安全に対処できる方法、専門業者に依頼すべきケースとその費用相場、そして日々のメンテナンス方法まで、専門的な視点から網羅的に解説します。
太陽光発電の発電量が低下する原因とは?
発電量が低下する原因を特定することは、システムの効率的な運用と長期的な利用に不可欠です。原因は一つではなく、複数の要因が複合的に影響している場合もあります。
太陽光パネル(モジュール)の汚れ
太陽光パネル(モジュール)の表面に汚れが付着すると、モジュール表面ガラスの透過率が低下し、発電量が減少します。主な汚れの原因としては、土埃、鳥の糞、花粉、黄砂、落ち葉、火山灰などが挙げられます。また汚れではありませんが、地域によっては積雪も発電への影響要因となります。これらの汚れはパネル(モジュール)表面に膜を作り、太陽光の吸収を妨げるため、発電効率を著しく低下させます。特に、交通量の多い道路沿いや、周囲に樹木が多い場所では、汚れが蓄積しやすいため注意が必要です。
周辺環境による影の影響
太陽光パネル(モジュール)は、太陽光を効率的に受けられるように設置されていますが、周辺環境によっては影の影響を受けやすくなります。例えば、近隣に新しい建物が建ったり、自宅の庭木が成長したり、電柱や電線が影を作ったりすることで、発電量が大幅に低下します。
太陽光パネル(モジュール)は複数枚が「ストリング」という単位で直列に接続されているため、たった1枚のパネル(モジュール)の一部に影がかかるだけで、その系統全体の発電量が大幅に低下してしまう特性があります。これは、影がかかった部分に電流が集中して発熱・故障するのを防ぐための「バイパスダイオード」という保護機能が働くためです。
バイパスダイオードが作動すると、影になった部分を迂回して電流を流し、その系統(ストリング)全体の発電を継続させ、パネルの深刻な故障(ホットスポットなど)を防ぎます。しかし、電流の迂回が起こる結果、発電量の低下は避けられず、発電効率の観点では大きな弱点となります。
経年劣化による発電効率の低下
太陽光パネル(モジュール)は、設置から年数が経過すると、紫外線や風雨の影響で徐々に発電効率が低下していきます。これは、パネル(モジュール)を構成する材料の劣化や、表面のコーティングの劣化などが原因です。
一般的に、太陽光パネル(モジュール)の出力は、1年あたり0.6%程度の割合で低下すると言われています。ただし、多くのメーカーでは「出力保証」として、設置から25年後でも定格出力の85%程度以上を保証しています。特に大手メーカーの中には、87%〜88%程度の保証を設定している例もあります。実際の発電量がこの保証値を下回るような急激な低下が見られる場合は、単なる経年劣化ではなく何らかの不具合が考えられるため、販売店に相談しましょう。
パワーコンディショナ(PCS)(パワーコンディショナ)の故障
パワーコンディショナ(PCS)は、太陽光パネル(モジュール)で発電された直流電力を、家庭で利用できる交流電力に変換する、システムの心臓部です。パワーコンディショナ(PCS)が故障すると、発電された電力が正常に変換されなくなり、発電量が低下、あるいはゼロになります。
パワーコンディショナ(PCS)の寿命は一般的に10年〜15年程度ですが、電子機器のため高温や湿気に弱く、設置場所の環境(直射日光が当たる、風通しが悪いなど)によって寿命が大きく左右されます。パワーコンディショナ(PCS)の故障は、発電量の低下だけでなく、火災の原因にもなり得るため、定期的な点検が不可欠です。
対策を講じる前に【最重要】ご自身で作業を行う際の安全確認
これから解説する対策の中には、ご自身で実施可能なものもありますが、太陽光発電システムは電気設備であり、高所に設置されているケースがほとんどです。感電や高所からの落下といった重大な事故を防ぐため、以下の点は必ずお守りください。
- 屋根設置の場合:屋根には絶対に登らないでください。作業は必ず地上から、または安全が確保された足場から行える範囲に限定してください。屋根からの落下は命に関わる重大な事故に繋がります。
- 野建て(地上設置)の場合:目線の高さに近いため比較的安全に見えますが、感電リスクは変わりません。無理に機器へ触れたり、濡れた状態での作業は厳禁です。また、雑草や凹凸のある地面での転倒にも注意が必要です。
- 原則、高圧洗浄機は使用しない:高圧洗浄機はパネル(モジュール)表面のコーティングを傷つけたり、防水機能を損なったりする可能性があるため、ほとんどのメーカーで非推奨とされています。使用は避けるのが賢明です。
- 電気系統には触れない:システムの電源を落としたとしても、安易に配線や接続部に触れるのは危険です。確認は目視に留めてください。
- 少しでも不安なら専門業者へ: 「自分でもできそう」と思っても、少しでも作業に不安や危険を感じた場合は、決して無理をせず、速やかに専門業者へ相談してください。
原因別の対策方法:自分でできることと専門業者への依頼
発電量低下の原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、原因別に自分でできる対策と、専門業者に依頼すべき対策を詳しく解説します。
太陽光パネル(モジュール)の清掃方法
パネル(モジュール)表面の汚れは、発電効率を低下させる大きな原因の一つです。ご自身で清掃を行う場合は、前述の安全ルールを遵守した上で、以下の手順と注意事項を参考にしてください。
安全な掃除手順
- システム電源の停止: 感電防止のため、作業を始める前に必ず太陽光発電システムのパワーコンディショナの運転を停止させてください。
- 適切な天候・時間帯を選ぶ: パネルが高温になりにくい、曇りの日や朝夕の涼しい時間帯に行いましょう。晴天時は水がすぐに蒸発し水垢の原因になります。また、雨の日や強風時は滑って危険なため、作業を避けてください。
- 清掃液と道具の準備: アルコール(70%以上)や水を少量含ませた柔らかい布を用意します。頑固な汚れには、中性洗剤を薄めた洗浄液を傷をつけにくい布材に含ませて使用します。
- 優しく拭き取り: 水分を含ませた布を使い、汚れが付着している部分を力を入れずに拭き取ります。パネル表面を傷つけないよう、ゴシゴシと擦ることは厳禁です。
清掃時の注意事項
- 高圧洗浄機は使用厳禁です。強い水圧はパネルの防水機能を損なう恐れがあります。
- 洗剤は、強酸性・強アルカリ性のものは使用しないでください。パネルのコーティングを傷める原因となります。
- 清掃の際は、硬いブラシや鋭利な道具でパネル表面を傷つけないよう注意してください。
ご自身での清掃が難しい場合や、頑固な汚れがある場合は、専門業者に依頼しましょう。専門業者は、適切な機材と技術で、安全かつ効果的にパネル(モジュール)を清掃してくれます。
影の影響をなくすための対策
周辺環境による影の影響を軽減することも、発電量回復のために重要です。
- 木の剪定: 周囲の樹木が影を作っている場合は、剪定を行い、影の影響を軽減します。隣家の木が原因の場合は、トラブルを避けるためにも、まずは穏やかに相談することから始めましょう。安全に配慮し、無理のない範囲でご自身で行うことも可能ですが、高所作業となる場合は専門業者に依頼するのが安全です。
- 設置場所の見直し: 将来的に影の影響が大きくなる可能性がある場合は、パネル(モジュール)の設置場所を見直すことも検討しましょう。これは専門的な判断が必要なため、販売店や専門業者に相談し、最適な設置方法を検討することをおすすめします。
パワーコンディショナ(PCS)の点検と交換
パワーコンディショナ(PCS)は、太陽光発電システムの心臓部です。パワーコンディショナ(PCS)の故障は発電量の低下に直結するため、定期的な点検と必要に応じた交換が不可欠です。
- 点検の重要性: パワーコンディショナ(PCS)の寿命は10年~15年が一般的です。定期的な点検を行うことで、故障の兆候を早期に発見し、修理や交換を計画的に行うことができます。点検は専門業者に依頼することをおすすめします。
- 交換のタイミング: パワーコンディショナ(PCS)の寿命が近づいている場合や、エラーが頻発する、修理費用が高額になる場合は、交換が必要になります。交換費用はかかりますが、発電量が低下したまま放置すると、売電収入の減少という形で損失が続くため、適切なタイミングで交換を行いましょう。
定期的なメンテナンスの重要性
発電量を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。ご自身でできるパネル(モジュール)の清掃や発電量のモニタリングを定期的に行い、システムの異常を早期に発見しましょう。そして、専門的な点検や清掃、修理などは専門業者に依頼するという使い分けが、システムの最適な状態を維持する鍵となります。
太陽光発電の発電量を維持するための日頃の注意点
発電量を維持するためには、日々のちょっとした注意が大切です。異常にいち早く気づくことができれば、発電量の低下を最小限に抑えられます。
発電量のモニタリング
システムの発電量を把握するためには、定期的なモニタリングが不可欠です。
- 発電量表示機能の活用: 多くのシステムには発電量を表示する機能が搭載されています。日々の発電量や月間の発電量などを確認し、過去のデータと比較することで、発電量の変化を把握することができます。特に、天候の良い日に、前年同月のデータと比較すると異常を発見しやすくなります。
- 遠隔モニタリングシステムの活用: スマートフォンやパソコンから発電量を確認できる遠隔モニタリングシステムもおすすめです。外出先からでも発電量を確認できるため、異常にいち早く気づくことができます。
発電量を定期的にモニタリングし、少しでもおかしいと感じたら、まずはシステムを設置した販売店や施工業者に相談するようにしましょう。
異常時の早期発見と対応
発電量のモニタリングに加えて、機器の異常を早期に発見し、適切に対応することも重要です。
- 発電量の急な低下: 発電量が前日と比べて急に低下した場合は、何らかの異常が発生している可能性があります。パワーコンディショナ(PCS)のエラー表示を確認し、原因を特定しましょう。
- 異音や異臭: パワーコンディショナ(PCS)から異音や異臭がする場合は、内部の故障が疑われます。直ちに運転を停止し、専門業者に点検を依頼しましょう。火災の原因になる可能性もあります。
- その他の異常: パネル(モジュール)の破損やケーブルの断線、接続部の緩みなど、目に見える異常を発見した場合も、放置せずに専門業者に相談しましょう。
トラブル事例から学ぶ!発電量低下の解決策
実際のトラブル事例を通して、発電量低下の原因と、それに対する具体的な解決策を学びます。
事例1:パネル(モジュール)の汚れによる発電量低下
近隣の畑からの土埃が原因で、発電量が3〜5%低下したケース。乾燥した日が続いた後、土埃が大量に付着し、発電量が著しく落ち込みました。
解決策: 専門業者によるパネル(モジュール)清掃を実施。清掃後、発電量は元の水準に回復しました。汚れやすい環境のため、清掃頻度を年1回に見直すことを決定しました。
事例2:パワーコンディショナ(PCS)故障による発電量低下
設置から12年経過したシステムで、パワーコンディショナ(PCS)が故障し、発電量が半分以下に低下。パワーコンディショナ(PCS)のエラー表示を確認したところ、内部部品の劣化が判明しました。
解決策: パワーコンディショナ(PCS)の交換を実施。1台の交換費用は約60万円でしたが、発電量が正常に戻り、最新機種になったことで変換効率もわずかに向上しました。保証期間は過ぎていましたが、長期的に見て交換が最善と判断しました。
事例3:木の成長による影の影響
野建てで設置した太陽光発電所の周囲にあった山林の樹木が数年かけて成長し、冬場など太陽高度が低い時期の午前中にパネル(モジュール)の端に影が落ちるようになり、発電量が10%低下したケース。
解決策: 発電事業の維持のため、土地所有者と相談の上、影の原因となっている樹木の伐採を実施。これにより、発電量が大幅に回復しました。野建ての場合、隣接地の樹木の成長も発電に大きく影響するため、定期的に周辺環境の変化に注意することの重要性を再認識しました。
費用対効果の高いメンテナンス計画の立て方
メンテナンスには費用がかかるため、費用対効果の高い方法を選ぶことが重要です。
自分でできるメンテナンスと専門業者への依頼の使い分け
ご自身でできるメンテナンス(発電量モニタリング、安全な範囲での目視点検)と、専門業者に依頼すべきメンテナンス(定期点検、専門的な清掃、修理・交換)を使い分けることで、費用を抑えつつ、システムの最適な状態を保つことができます。判断に迷う場合や、少しでも危険を感じる作業は、迷わず専門業者に相談しましょう。
メンテナンス費用の相場と業者選び
メンテナンス費用は、内容やシステムの規模によって異なります。
- 定期点検: 低圧の場合は1回あたり8万円〜12万円程度(50kW未満の場合)、
高圧の場合は1回あたり20万円〜(50kW以上の場合)程度が相場です。太陽光発電協会(JPEA)のガイドラインでは、専門家による定期点検を4年に1回以上実施することが推奨されています 。 - パネル(モジュール)清掃: 1回あたり2万円〜5万円程度が相場です。
- パワーコンディショナ(PCS)交換: 1台あたり20万円〜50万円程度が相場です。
信頼できる業者を選ぶためには、以下のチェックリストを活用し、複数の業者から見積もりを取って比較検討することが重要です。
信頼できる業者選びのチェックリスト
- [ ] 実績と専門性: 太陽光発電のメンテナンス実績は豊富か?公式サイトで事例を確認できますか?
- [ ] 資格の有無: 「電気工事士」などの有資格者が在籍しているか?
- [ ] 見積もりの透明性: 「一式」ではなく、作業内容ごとの詳細な内訳が記載されているか?
- [ ] 保証と保険: 作業後の保証はあるか?万が一の事故に備えた損害賠償保険に加入していますか?
- [ ] 対応の質: 質問に対して専門用語を使いすぎず、分かりやすく丁寧に説明してくれるか?
まとめ:発電量低下の原因を理解し、適切な対策で安定運用を
この記事では、太陽光発電の発電量低下の様々な原因と、それぞれの原因に応じた具体的な対策について解説しました。汚れ、影、経年劣化、パワーコンディショナ(PCS)の故障など、原因を正しく理解し、ご自身でできることと専門家に任せるべきことを見極めることが、安定した発電量を維持する鍵となります。
日々の発電量をモニタリングし、異常への早期対応を心がけるとともに、定期的な専門家によるメンテナンスを計画的に実施しましょう。発電量の低下に気づいたら、まずは慌てずにこの記事を参考に原因を探り、不安な場合はすぐに販売店や専門業者に相談してください。
もし、九州圏内で発電量低下にお悩みでしたら、ぜひ一度私たち宮崎電力にお声がけください。豊富な経験を持つ技術者が、点検・清掃から修理までワンストップで対応し、あなたの太陽光発電システムが本来の性能を取り戻すお手伝いをします。
適切な対策を講じることで、あなたの太陽光発電システムは、これからも長く価値ある資産であり続けます。
