産業用太陽光発電のパワコン交換 徹底ガイド|費用・交換時期・台数削減・施工事例
産業用太陽光発電所を長期間運用していると、パワーコンディショナ(パワコン・PCS)の保証切れや経年劣化、故障、発電停止などの問題が発生します。
- パワコンが1台停止している
- 保証が切れたため、故障する前に交換したい
- メーカーから修理部品がないと言われた
- 以前より発電量が低下している
- 夏場になるとブレーカーが遮断する
- 3G停波後から監視画面が更新されない
- 施工会社やメンテナンス会社と連絡が取れない
このような場合は、故障した機器を修理するだけでなく、新しいパワコンへの交換も選択肢になります。
また、パワコン交換にあわせて、配線やストリング構成、アース、遠隔監視装置、通信機器などを見直し、発電所全体を再構成することを「リパワリング」と呼ぶこともあります。
この記事では、産業用太陽光発電所のパワコン交換を検討している方に向けて、交換時期、費用、工事内容、台数を減らす場合のメリットとリスク、施工事例について解説します。

パワコン交換を検討する主なタイミング
パワコンは、完全に故障してから交換するとは限りません。
発電停止による売電損失を抑えるため、保証期間や稼働年数、修理部品の供給状況などを確認し、計画的に交換する方法もあります。
パワコンが停止している
パワコンが1台停止すると、そのパワコンが担当している太陽光パネルの発電ができなくなります。
低圧の発電所でも、複数台あるパワコンのうち1台が停止した状態が長く続くと、売電収入に影響します。
遠隔監視で停止を確認できる場合は、エラーコードや発電データを確認し、必要に応じて現地で原因を調査します。
メーカー保証が切れている
保証期間が終了したパワコンは、故障時の修理費用や交換費用が自己負担になる可能性があります。
設置から年数が経過している場合は、保証が切れる前後のタイミングで、修理を続ける場合と、新しいパワコンへ交換する場合を比較します。
故障やエラーが増えている
一度復旧しても、別の部品やパワコンでエラーが繰り返される場合は、設備全体が更新時期を迎えている可能性があります。
修理のたびに現地調査や部品交換が必要になるため、修理費用だけでなく、停止期間中の発電ロスも含めて判断することが重要です。
修理部品がない・メーカー修理を受けられない
古いパワコンでは、メーカーが保守対応を終了し、修理部品を確保できない場合があります。
故障してから交換機器を探すと、発電停止期間が長くなる可能性があります。
現在使用しているパワコンの保守対応や部品供給状況を確認し、必要に応じて早めの交換を検討します。
発電量が低下している
パワコンが完全停止していなくても、内部部品の不具合などによって、本来より発電量が少なくなっている場合があります。
ただし、発電量が低下する原因はパワコンだけとは限りません。
- 太陽光パネルへの影
- 雑草
- パネルの汚れや破損
- ケーブルの断線
- 接続不良
- 遠隔監視装置や通信機器の異常
- 出力制御
このような原因も考えられるため、発電データと現地設備の両方を確認します。
発電量低下の原因や確認方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
夏場にブレーカーが遮断する
夏場など発電量が多くなる時期に、ブレーカーが繰り返し遮断するという相談があります。
宮崎電力では、遮断した時間帯や発電データ、既設パワコン、ブレーカー、配線などを確認し、部品交換だけでなく、パワコンの容量や台数構成を見直したリパワリングもご提案しています。
実際に、夏場のブレーカー遮断に悩んでいた発電所で、既設パワコン5台を新しいパワコン3台へ再構成し、お客様が悩まれていた遮断の改善と安定運用につなげた事例があります。
夏場のブレーカー遮断をHuawei製PCSへのリパワリングで改善した事例
施工会社やメンテナンス会社がなくなった
発電所を設置した会社や、これまで依頼していたメンテナンス会社と連絡が取れなくなった場合でも、パワコン交換の相談は可能です。
既設設備の資料、パワコンの型式、太陽光パネルの情報、監視データなどを確認し、不足する情報は現地調査で確認します。
修理・中古品への部分交換・全台交換の違い
パワコンに異常が発生した場合、必ず全台交換が必要になるわけではありません。
故障状況、既設機種、保証、部品供給、発電所の残存期間などを確認し、対応方法を比較します。
部品を修理する
修理部品が確保でき、修理後も使用できると判断できる場合は、部品交換や修理で対応します。
ただし、保証が切れている機種や部品供給終了が近い機種では、修理後に別の部品が故障する可能性もあります。
同型の中古パワコンへ1台だけ交換する
故障したパワコンと同じメーカー・同じ型式の中古品を確保できる場合は、故障した1台だけを交換できることがあります。
中古品を使用する場合は、機器の状態、製造年、動作状況、保証の有無などを確認する必要があります。
また、同じ時期に設置されたほかのパワコンも経年劣化している可能性があるため、1台だけを交換する場合でも、残りのパワコンの状態を確認します。
新品のパワコンへ全台交換する
既設機種が廃番になっている場合や、同型機器を確保できない場合は、新しいパワコンへの交換を検討します。
宮崎電力では、新品のパワコン1台だけを異なるメーカーの機種へ交換し、既設の別メーカー製パワコンと混在させる提案は行っていません。
メーカーから技術的には接続可能と案内される場合でも、系統連系や電力会社への申請で認められない可能性があるためです。
異なるメーカーの新品へ変更する場合は、原則として発電所全体のパワコンを交換し、新しい設備構成で必要な確認や申請を行います。
新しいパワコンの容量によっては、現在より少ない台数で発電所を構成できる場合もあります。

パワコン交換で行う主な工事
パワコン交換は、既設機器を外して新しい機器を取り付けるだけとは限りません。
既設設備と新しいパワコンの仕様を確認し、必要な工事をご提案します。
既設パワコンの撤去と新しいパワコンの設置
既設パワコンを撤去し、選定した新しいパワコンを設置します。
設置場所や架台、壁面の状態によっては、取付金具や設置方法の変更が必要になる場合があります。
配線・ストリング構成の組み換え
新旧パワコンでは、入力できる電圧や電流、接続できるストリング数が異なることがあります。
その場合は、新しいパワコンの仕様に合わせて、必要な範囲で配線やストリング構成を組み換えます。
配線やストリングの組み換えは、すべてのパワコン交換工事で行うものではありません。既設設備の構成と採用するパワコンを確認し、必要な場合に実施します。
また、現地調査でケーブルの断線、劣化、接続不良などが見つかった場合は、状態をご説明したうえで、修理または交換を別途ご提案します。
PCS交換前の調査でケーブル断線とアース未施工が判明した事例
アース工事
既設設備の確認時に、アース線の未施工や劣化などが見つかる場合があります。
必要に応じて、パワコン交換とあわせてアース工事をご提案します。
遠隔監視装置・通信機器の交換
新しいパワコンが既設の監視装置に対応していない場合や、通信機器が古くなっている場合は、遠隔監視装置や通信機器も交換します。
パワコン、監視装置、通信機器をまとめて更新することで、交換後の設備を一体的に管理しやすくなります。
パワコンの台数を減らすメリット
既設パワコン5台を新しいパワコン3台へ変更するように、新しい機器の容量によっては、現在より少ない台数で発電所を構成できる場合があります。
台数を減らす最大のメリットは、購入するパワコン本体の台数を減らし、交換にかかる費用を抑えられる可能性があることです。
また、設置する機器の台数が減ることで、工事内容や設備構成を簡略化できる場合があります。
ただし、発電所の設備容量やパネル構成によっては台数を減らせない場合があります。また、価格だけで台数を決めるのではなく、1台が停止した際の影響も確認する必要があります。
パワコンの台数を減らすリスク
パワコンの台数を減らすと、1台が担当する発電容量が大きくなります。
単純に同じ容量を均等に分担している場合、5台構成で1台が停止すると全体の約20%、3台構成で1台が停止すると全体の約33%に影響します。
実際の発電損失は設備構成によって異なりますが、台数が少ないほど、1台が故障した際の影響が大きくなる可能性があります。
そのため、台数を減らすかどうかは、機器価格だけでは判断しません。
- 太陽光パネルの容量
- パワコンの定格容量
- 各パワコンが担当するストリング
- 1台停止した場合の発電損失
- メーカー保証
- 交換機器の納期
- 遠隔監視の有無
- 故障時の駆け付け体制
宮崎電力では、パワコン交換をご提案する際に必ず発電量シミュレーションを作成します。
現在の設備構成と交換後の設備構成を比較し、想定発電量、交換台数、費用、1台停止時のリスクなどをご確認いただいたうえで、交換方法を判断していただきます。
3G停波・通信停止を機にパワコンを交換する場合
3G回線を使用していた遠隔監視装置や通信機器では、サービス終了後に監視画面が更新されなくなったり、通信エラーが表示されたりすることがあります。
監視画面が更新されない場合は、最初に次の状況を切り分けます。
- 遠隔監視の通信だけが停止している
- パワコン自体も停止している
- 出力制御に関する通信に問題がある
- 監視装置やルーターに異常がある
通信機器を4G対応機器へ交換するだけで復旧できる場合もあります。
一方で、既設パワコンの保証が切れている、設置から年数が経過している、修理部品がなくなる可能性がある場合は、通信機器の更新にあわせてパワコン交換を検討する方法もあります。
通信機器だけを先に交換し、数年後にパワコンを交換すると、現地調査や機器設定、工事を複数回行うことになります。
近い時期にパワコン交換が必要になる可能性が高い場合は、通信機器とパワコンを同時に更新した場合と、別々に更新した場合を比較してご提案します。
パワコン交換の費用
パワコン交換に必要な費用は、パワコン本体の価格と工事費に分かれます。
パワコン本体の参考価格
| パワコンの種類 | 本体価格の目安 |
|---|---|
| 単相パワコン | 1台11万円台から(税別) |
| 三相パワコン | 1台36万円台から(税別) |
上記は、パワコン本体1台あたりの参考価格です。
交換工事費、既設機器の撤去・処分費、配線・ストリング構成の組み換えなどの費用は含まれていません。
また、メーカー、容量、機種、保証期間、在庫状況などによって価格は異なります。
別途必要になる可能性がある費用
- 既設パワコンの撤去・処分
- 新しいパワコンの設置工事
- 配線・ストリング構成の組み換え
- ブレーカー交換
- アース工事
- 遠隔監視装置の交換
- 通信機器の交換
- 設定・試運転
正確な費用は、既設パワコンの型式、設備容量、台数、配線構成、現地状況を確認したうえでお見積もりします。

対応メーカー
宮崎電力では、特定のメーカーだけに限定せず、既設設備との適合性や保証、納期などを比較して交換機器をご提案します。
主な提案メーカーは次のとおりです。
- Huawei
- SolarEdge
- ダイヤゼブラ電機
- オムロン
- 安川電機
- Afore
- その他のメーカー
掲載していないメーカーについてもご相談ください。
また、現在設置されているパワコンが、現在積極的に交換提案していないメーカーの場合でも、既設設備を調査したうえで、交換可能な機種をご提案します。
パワコン交換までの流れ
1.お問い合わせ
まずは、パワコンの停止状況や発電量低下、保証状況などをお聞きします。
次の情報があると、確認がスムーズです。
- 発電所の所在地
- 発電所の設備容量
- パワコンのメーカー・型式・台数
- 太陽光パネルの型式・枚数
- 単線結線図
- ストリング構成図
- 遠隔監視画面
- エラーコード
- 現地写真
資料がすべてそろっていなくてもご相談いただけます。
LINEから監視画面やパワコンの写真を送っていただくことも可能です。
2.現地調査
パワコン、配線、ブレーカー、接続箱、アース、監視装置、通信機器などを確認します。
3.機器選定・発電量シミュレーション
既設設備に適合するパワコンを選定します。
宮崎電力では、パワコン交換をご提案する際に、必ず交換後の発電量シミュレーションを作成します。
複数メーカーや台数構成を比較し、想定発電量、交換費用、保証、1台停止時の影響などをご確認いただきます。
シミュレーション結果を見たうえで、どのメーカーや台数構成で交換するかをご判断いただけます。
4.お見積もり
パワコン本体、撤去、設置、ストリング組み換え、監視装置など、必要な工事内容をまとめてお見積もりします。
5.ご契約・機器手配
内容をご確認いただき、ご契約後に機器や部材を手配します。
6.交換工事
既設パワコンを撤去し、新しいパワコンを設置します。
必要に応じて、配線・ストリング構成の組み換え、アース工事、監視装置・通信機器の交換なども行います。
7.試運転・完工
電圧、電流、通信、遠隔監視画面などを確認し、正常に発電していることを確認します。
パワコン交換・リパワリングの施工事例
宮崎電力では、発電所の設備構成やお客様のお悩みに合わせて、さまざまなパワコン交換・リパワリングを行っています。
大分県佐伯市でダイヤゼブラ電機製パワコンへ交換
複数メーカーを比較し、発電量シミュレーションの結果を確認したうえで、ダイヤゼブラ電機製パワコンへ交換しました。
機器価格だけでなく、保証や将来の運用も含めて選定した事例です。
現地調査でケーブル断線とアース未施工を確認
パワコン交換前の現地調査で、ケーブルの断線やアース線の未施工が確認された事例です。
確認した状況をお客様へ説明し、パワコン交換とあわせて改善工事をご提案しました。
夏場のブレーカー遮断をリパワリングで改善
夏場にブレーカーの遮断が繰り返し発生していた発電所で、既設パワコン5台をHuawei製パワコン3台へ再構成しました。
お客様が悩まれていた遮断の改善と、発電所の安定運用を目的に実施した事例です。
Huawei製パワコンへの交換とアース線新設
既設パワコンをHuawei製パワコンへ交換し、あわせてアース線の新設や周辺設備の見直しを行った事例です。
宮崎電力のパワコン交換
宮崎電力では、現地調査から機器選定、発電量シミュレーション、交換工事、工事後の遠隔監視・メンテナンスまで一括して対応します。
複数メーカーを比較して提案
特定メーカーだけに限定せず、既設設備との適合性、保証、納期、監視機能、将来のメンテナンスなどを比較します。
必ず発電量シミュレーションを実施
現在の発電実績や設備構成をもとに、交換後の発電量シミュレーションを作成します。
複数のメーカーや台数構成を比較し、交換後の想定発電量や費用、故障時のリスクをご確認いただいたうえで、交換内容をお選びいただけます。
パワコン以外の設備も確認
配線、ブレーカー、アース、ストリング、遠隔監視装置、通信機器なども確認します。
工事後の監視・メンテナンスにも対応
パワコン交換後の遠隔監視、定期点検、駆け付け対応、メーカー保証、施工保証、動産保険を付帯したメンテナンス契約にも対応します。
全国の発電所に対応
宮崎電力では、宮崎県を拠点に、北海道から沖縄県まで全国の産業用太陽光発電所に対応しています。
九州以外の発電所や、これまで取引のない発電事業者様からのご相談にも対応します。
まずは、発電所の所在地、既設パワコンの型式、台数、設備容量などをお知らせください。
パワコン交換に関するよくある質問
パワコンが1台だけ故障しています。1台だけ交換できますか?
故障したパワコンと同じメーカー・同じ型式の中古品を確保できる場合は、1台だけ交換できることがあります。
新品の異なるメーカー製パワコンを1台だけ設置し、既設パワコンと混在させる対応は、電力会社への申請で認められない可能性があるため、宮崎電力では原則として行っていません。
異なるメーカーの新品へ変更する場合は、発電所全体の交換を基本としてご提案します。
修理と交換のどちらがよいですか?
修理費用、交換費用、保証期間、部品供給、故障回数、残りの売電期間などによって異なります。
現在の設備状況を確認し、修理、中古品への部分交換、新品への全台交換を比較してご提案します。
別のメーカーへ変更できますか?
発電所全体のパワコンを交換することで、別のメーカーへ変更できます。
既設パネル、入力電圧・電流、ストリング構成、出力制御、遠隔監視装置などを確認し、新しいメーカーに合わせて設備構成を設計します。
メーカー変更に伴う工事や申請を含めてお見積もりします。
パワコンを交換すると発電量は増えますか?
交換しただけで、必ず発電量が増えるとは限りません。
発電量低下の原因がパワコンの不具合や設備構成にある場合は、改善する可能性があります。
宮崎電力では、交換前に必ず発電量シミュレーションを作成します。現在の設備と交換後の設備を比較し、シミュレーション結果をご確認いただいたうえで交換内容を判断していただきます。
パワコンの台数は減らした方がよいですか?
台数を減らすことで、パワコン本体や交換工事の費用を抑えられる可能性があります。
一方で、1台が停止した際に影響する発電容量が大きくなる可能性があります。
費用だけではなく、発電量シミュレーションと故障時のリスクを比較して判断します。
工事中は発電が止まりますか?
パワコンの撤去、交換、試運転中は、対象設備の発電を停止します。
停止期間は、発電所の規模や工事内容によって異なります。
施工会社がなくなっていても依頼できますか?
ご相談いただけます。
設備資料が残っていない場合も、パワコンの型式、太陽光パネルの情報、監視データ、現地調査などから設備構成を確認します。
LINEで相談できますか?
LINEからご相談いただけます。
パワコンの写真、エラー画面、遠隔監視画面などを送っていただければ、現地調査前の確認に役立ちます。
まとめ
パワコンの保証切れ、経年劣化、繰り返す故障、発電量低下、修理部品の不足、通信機器の老朽化などがある場合は、パワコン交換を検討するタイミングです。
交換方法には、修理、同型中古品への部分交換、新品パワコンへの全台交換などがあります。
異なるメーカーの新品へ変更する場合は、発電所全体のパワコン交換を基本とし、既設設備との適合性や申請内容を確認します。
また、パワコンの台数を減らすことで交換費用を抑えられる可能性がありますが、1台が故障した際の発電損失が大きくなるリスクもあります。
宮崎電力では、パワコン交換をご提案する際に必ず発電量シミュレーションを作成します。
複数メーカーや台数構成を比較し、費用、想定発電量、保証、故障時のリスクをご確認いただいたうえで、交換方法をお選びいただけます。
現地調査、発電量シミュレーション、機器選定、パワコン交換、工事後の遠隔監視・メンテナンスまで一括して対応します。
