AFORE製PCSへリパワリング|売電明細から発電量低下を調査した施工事例【鹿児島県鹿屋市】
鹿児島県鹿屋市の低圧太陽光発電所で、発電量低下とパワーコンディショナ(パワコン・PCS)の故障をきっかけに、リパワリング工事を実施しました。
今回のお客様は、同じエリアに5区画の太陽光発電所を所有されていましたが、遠隔監視設備が設置されていなかったため、PCSごとの運転状況をオンラインで確認できない状態でした。
そこで、まず各区画の売電明細を確認し、発電量が大きく低下している区画を洗い出しました。
現地調査を行った結果、今回リパワリングした区画では三菱製PCS5台のうち2台が停止しており、他の区画でも複数台のPCS停止が確認されました。
修理を続ける場合の費用と、PCSを全台更新する場合の費用・発電量・今後の売電収入を比較し、まず1区画をAFORE製PCSへリパワリングする方法をご提案しました。
今回の太陽光発電所について
| 地域 | 鹿児島県鹿屋市 |
|---|---|
| 区分 | 低圧太陽光発電所 |
| 設備容量 | 49.5kW |
| 制度 | FIT |
| 運転期間 | 約12年 |
| 既設PCS | 三菱製 PV-PT10GLUBS-PF 5台 |
| 更新後PCS | AFORE製 10kW級PCS 5台 |
5区画のうち3区画で発電量が大きく低下
今回のお客様は5区画の太陽光発電所を所有されており、そのうち3区画で発電量の低下が見られていました。
しかし、遠隔監視設備が設置されていなかったため、「どのPCSが止まっているのか」「いつから停止しているのか」をオンラインで確認することはできませんでした。
そこで宮崎電力では、まず各区画の売電明細を確認しました。
発電所ごとの売電量を比較し、想定される発電量との差を確認することで、発電量低下が大きい区画を絞り込みました。
監視データがない発電所でも、売電明細や設備情報から異常の可能性を探ることができます。
売電明細からPCS停止台数を予測し、現地調査へ
売電明細から発電量低下の大きい区画を確認したうえで、現地調査を実施しました。
今回の区画では、三菱製PCS5台のうち2台が停止していました。
また、他の区画でも複数台のPCS停止が確認されています。
現地ではPCSの状態などを確認し、必要に応じてメーカーにも確認を行いました。
調査の結果、PCSの故障が確認され、修理を続ける場合には相応の費用が必要になる状況でした。
修理継続とリパワリングの費用を比較
PCSが故障した場合でも、必ず全台交換が必要になるわけではありません。
今回も、故障したPCSを修理して現在の設備を使い続ける方法と、PCSを全台更新するリパワリングの両方を比較しました。
既設PCSは運転開始から約12年が経過しており、故障しているPCSだけを修理しても、今後ほかのPCSに不具合が発生する可能性があります。
そのため、修理に必要な費用だけでなく、今後の故障リスクや残りのFIT期間も含めて検討しました。
Huawei・AFORE・SolarEdgeの構成を比較
リパワリングでは、1つのメーカーだけで提案するのではなく、複数のPCSメーカー・台数構成を比較しました。
- Huawei製PCS 3台構成
- AFORE製PCS 5台構成
- SolarEdge製PCS 3台構成
それぞれの設備構成について発電量・売電シミュレーションを作成し、お客様へ比較データをご提示しました。
最終的には、既設設備との構成や費用面などを比較し、AFORE製10kW級PCS5台への更新を採用しました。
パワコン交換時のメーカー・台数構成の考え方について詳しく見る
発電量だけでなく残FIT期間の売電収入までシミュレーション
宮崎電力では、PCS交換・リパワリングをご提案する際に発電量シミュレーションを作成しています。
今回も、交換前と交換後の設備構成をもとに、次の内容を考慮したシミュレーションを行いました。
- 交換前後の想定発電量
- 売電収入
- 残FIT期間
- 設備の経年劣化
- 出力制御
シミュレーションは将来の発電量や売電収入を保証するものではなく、設備更新を判断するための参考値としてお客様へご説明しています。
修理を続けた場合と、リパワリングを行った場合の費用・今後の運用を比較したうえで、更新方法を決定しました。
まず1区画だけをリパワリングする方法を提案
今回の特徴は、5区画すべてを一度にリパワリングしたわけではないことです。
発電量低下やPCS故障の状況を確認したうえで、まず1区画をAFORE製PCSへリパワリングしました。
そして、リパワリングによって取り外した既設PCSのうち、正常に使用できるものについては、同じお客様が所有する別区画の故障対応に活用しました。
これにより、複数区画すべてを一度に更新するのではなく、まず発電への影響が大きい区画を更新しながら、ほかの区画については既存設備を活用して対応することができました。
発電所を複数所有している場合でも、すべてを一度に交換することが最適とは限りません。
故障状況、設備年数、修理費用、残FIT期間などを確認しながら、優先順位を付けて更新する方法もあります。
今回実施したリパワリング工事
- 既設三菱製PCS5台の撤去
- AFORE製10kW級PCS5台の設置
- ブレーカー交換
- 遠隔監視設備の導入
- 通信設備の導入
- 電力会社への申請
- 出力制御設定
- 試運転・動作確認
現地調査は1日、リパワリング工事は約5営業日で実施しました。
今回の案件では、最初のご相談から設備調査、修理との比較、更新方法の検討を継続しながら進めています。
リパワリングとあわせて遠隔監視を導入
今回の発電所では、リパワリング前は遠隔監視設備がありませんでした。
そのため、PCSが停止していても、発電量の低下を売電明細などから確認するまで異常に気付きにくい状態でした。
リパワリングとあわせて遠隔監視・通信設備を導入し、今後はPCSの運転状況をオンラインで確認できる環境を整えています。
PCSが複数台ある発電所では、1台や2台が停止しても残りのPCSが発電を続けるため、発電所全体が完全停止する場合と比べて異常に気付きにくくなります。
施工後は全PCSの正常運転を確認
施工完了後は試運転を行い、AFORE製PCS5台すべての正常運転を確認しました。
あわせて遠隔監視・通信設備についても設定を行い、オンラインで発電状況を確認できる状態としています。
今回は施工前にPCS単位の詳細な監視データが存在しないため、施工前後の実発電量を数値で比較することはできません。
そのため、「リパワリングによって発電量が○%改善した」といった表現は行っていません。
今回のポイント|監視データがなくても売電明細から異常を探せる場合があります
今回の事例で特に重要だったのは、遠隔監視設備がない状態から調査を始めたことです。
PCSごとのデータが確認できなくても、複数区画の売電明細や設備容量を比較することで、発電量低下が大きい区画を絞り込める場合があります。
今回は売電明細をもとに異常が疑われる区画を洗い出し、現地調査によってPCS停止を確認しました。
さらに、故障したPCSをすべて個別修理する方法だけではなく、1区画をリパワリングし、取り外した正常な既設PCSを別区画で活用することで、複数区画全体の対応を整理しました。
宮崎電力では、単純に「故障したから全部交換」という提案ではなく、現在の設備状況、修理費用、残FIT期間、発電量シミュレーションなどを確認しながら、発電所ごとに対応方法を検討しています。
発電量が下がっている原因が分からない場合もご相談ください
「以前より売電額が下がっている」「遠隔監視がないのでPCSが正常か分からない」「複数の発電所を所有していて、どこから更新すべきか判断できない」といった場合でも、設備資料や売電明細などから確認を進めることができます。
PCS故障が確認された場合は、修理、部分的な対応、全台交換、リパワリングなどを比較し、発電所の状況に合わせてご提案します。
