太陽光発電所が停止したら?パワコン故障の原因・確認方法・復旧対応
太陽光発電所を運用していると、遠隔監視画面にエラーが表示されたり、パワーコンディショナ(パワコン・PCS)が停止したりすることがあります。
- 監視画面でパワコンが1台停止している
- 発電所全体の発電量が急に下がった
- パワコンにエラーコードが表示されている
- 売電明細を見て、発電量低下に初めて気付いた
- 監視画面が更新されず、発電しているか分からない
- 施工会社やメンテナンス会社と連絡が取れない
発電量が低下している原因は、パワコンの故障だけとは限りません。通信異常、ブレーカー遮断、ケーブル断線、出力制御、太陽光パネルへの影など、さまざまな可能性があります。
この記事では、産業用太陽光発電所が停止した場合に確認したいこと、主な原因、宮崎電力の遠隔確認・現地調査、修理や交換の判断方法について解説します。

太陽光発電所が停止したときに確認したいこと
最初に確認したいのは、発電所全体が停止しているのか、一部のパワコンだけが停止しているのか、それとも遠隔監視の通信だけが止まっているのかという点です。
遠隔監視装置が導入されている場合は、監視画面から次のような情報を確認します。
- 発電所全体の発電量
- パワコンごとの発電量
- 停止しているパワコンの有無
- エラーコードや警告表示
- 監視画面の最終更新日時
- 通信状態
- 出力制御の状況
- 地震・落雷・停電などが発生した時間との関係
ただし、監視装置のメーカーや種類によって、確認できる情報は異なります。
また、遠隔監視の情報だけで原因を絞り込むには、発電所の設備情報も必要です。
- パワコンのメーカー・型式・台数
- 太陽光パネルのメーカー・型式・枚数
- 単線結線図
- ストリング構成図
- 監視装置や通信機器の情報
- 過去の修理・交換履歴
資料が残っていない場合でも、監視画面や現地設備を確認しながら調査できることがあります。
発電停止と通信停止は同じではありません
監視画面が更新されていないからといって、必ずしも発電所自体が停止しているとは限りません。
発電所で起きている状況は、大きく次のように分けられます。
発電所自体が停止している
パワコンの故障、ブレーカー遮断、停電、配線異常などによって、実際に発電できていない状態です。
一部のパワコンだけが停止している
複数台あるパワコンのうち、1台または一部だけが停止している状態です。
発電所全体としては発電しているため、異常に気付きにくいことがあります。
発電しているが遠隔監視の通信だけが停止している
パワコンは正常に発電していても、監視装置、ルーター、通信回線などの異常により、監視画面へデータが届かない場合があります。
通信停止を放置すると、後からパワコンが故障しても気付けない可能性があります。
パワコンが故障・停止する主な原因
パワコン内部の故障
パワコン内部の基板、ファン、リレー、コンデンサなどが故障し、停止や出力低下が発生することがあります。
エラーコードが表示されている場合は、メーカーの取扱説明書や技術窓口へ確認しながら原因を調査します。
ブレーカーの遮断
過電流、漏電、機器異常などにより、ブレーカーが遮断する場合があります。
ブレーカー自体は操作できる位置に設置されていることがありますが、原因を確認せずに再投入すると、エラー履歴や停止状況が変わり、原因の特定が難しくなることがあります。
また、同じブレーカーが繰り返し遮断する場合は、設備側に異常が残っている可能性があります。
停止を確認した場合は、盤を開けたり、配線や端子に触れたりせず、ブレーカーを操作する前に施工会社やメンテナンス会社へご相談ください。
ケーブルの断線・接続不良
太陽光パネルからパワコンまでのケーブルに断線や接続不良があると、ストリング単位で発電量が低下したり、パワコンが停止したりすることがあります。
動物によるケーブル損傷、経年劣化、端子の緩みなどが原因になる場合もあります。
落雷・停電・電力系統の異常
落雷や停電、瞬時停電などをきっかけに、パワコン、監視装置、通信機器、オプティマイザなどが故障することがあります。
落雷による故障の場合は、動産保険を利用して復旧できる可能性もあります。
オプティマイザや周辺機器の故障
SolarEdgeなどのシステムでは、パワコン本体だけでなく、太陽光パネルごとに設置されたオプティマイザの故障によって発電量が低下することがあります。
監視画面でパネル単位の異常を確認できる場合は、故障箇所を絞り込みやすくなります。
出力制御
出力制御が行われている時間帯は、故障していなくても発電量が低下します。
発電量が下がった時間帯、出力制御の指示、監視画面の表示を確認し、故障による停止と区別します。
太陽光パネルへの影や雑草
周辺樹木、竹林、建物、雑草などによって太陽光パネルに影がかかると、発電量が低下します。
パワコンにエラーが表示されていなくても、前年や周辺のパワコンと比較して発電量が少ない場合は、現地確認が必要です。
3G回線停波による通信異常が増えています
最近多い相談の一つが、3G回線の停波後に遠隔監視画面が更新されなくなったというものです。
3G回線を使用していた監視装置や通信ゲートウェイでは、通信サービスの終了後に次のような症状が発生することがあります。
- 監視画面のデータが更新されない
- 通信エラーが表示される
- パワコンの状態を遠隔で確認できない
- 出力制御に関する通信へ影響が出る
通信機器を4G対応機器へ交換することで復旧できる場合があります。
ただし、監視画面が停止している間にパワコン側でも異常が発生している可能性があるため、通信機器の交換だけでなく、現地で発電状況を確認することも重要です。
エラーがなくても発電量が低下することがあります
パワコンが完全停止していなくても、発電量が以前より低下している場合があります。
例えば、次のような状態です。
- ほかのパワコンより発電量が少ない
- 前年の同時期より発電量が低い
- 晴天時でも想定した出力が出ていない
- 一部のストリングだけ発電していない
- ファンや内部部品の異常が発生している
小さな発電量低下は、発電所全体の数値だけでは気付けない場合があります。
パワコンごと、ストリングごと、前年同月など、複数のデータを比較して確認します。
お客様自身で設備に触れない方がよい理由
発電所の停止を確認した場合でも、お客様ご自身で盤を開けたり、配線や端子に触れたりしないでください。
また、原因を確認する前にブレーカーの入切やパワコンの再起動を行うと、次のような問題が生じることがあります。
- エラー表示や停止履歴が消える
- 一時的に復旧して原因を確認できなくなる
- 同じ異常が繰り返し発生する
- 故障した設備へ再び通電してしまう
- 感電や火災につながるおそれがある
操作が必要な場合は、監視画面、エラーコード、停止時刻などを記録したうえで、専門業者の案内に従ってください。
宮崎電力の遠隔確認と現地調査
宮崎電力では、まず遠隔監視の情報やお客様からいただいた資料をもとに、不具合の可能性を絞り込みます。
遠隔で確認する内容
- 発電所全体の発電量
- パワコンごとの発電状況
- エラーコード
- 通信の最終更新日時
- 出力制御状況
- 異常が発生した時間帯
- 過去の発電実績との比較
遠隔で詳しく確認するには、監視装置へのアクセス情報、単線結線図、ストリング構成図、パワコン型式などが必要になる場合があります。
現地で確認する内容
- パワコンの表示・エラー履歴
- ブレーカーの状態
- 電圧・電流
- 配線・端子
- 接続箱
- 太陽光パネル
- 架台や周辺設備
- 遠隔監視装置・通信機器
必要に応じて、メーカーへエラー内容や修理可否を確認します。
遠隔監視の情報だけで原因を特定できない場合は、駆け付け対応による現地調査を行います。

調査後の主な対応方法
調査結果に応じて、次のような対応をご提案します。
部品修理
メーカーが修理部品を供給しており、修理可能な場合は、基板やファンなどの部品交換を行います。
メーカー保証による修理・交換
メーカー保証期間内であり、保証対象の故障と認められた場合は、メーカー保証を利用して修理・交換できることがあります。
同型中古品への交換
同じメーカー・同じ型式の中古品を確保できる場合は、故障したパワコン1台だけを交換できることがあります。
中古機器の状態、製造年、保証の有無などを確認したうえでご提案します。
新品パワコンへの交換・リパワリング
修理部品がない場合や、同型中古品を確保できない場合は、新品パワコンへの交換を検討します。
異なるメーカーへ変更する場合は、発電所全体のパワコン交換を基本とし、新しい設備構成で発電量シミュレーションを行います。
通信機器・監視装置の更新
発電自体に問題がなく、通信機器や監視装置が原因の場合は、4G対応機器や新しい監視装置への交換をご提案します。
保険を利用した復旧
落雷、風災、飛来物などによる故障の場合は、加入している動産保険を利用できる可能性があります。
駆け付け調査の料金
低圧太陽光発電所の駆け付け一次調査は、次の料金です。
| 対象 | 駆け付け一次調査費 |
|---|---|
| メンテナンス会員・年1回目 | 無料 |
| メンテナンス会員・2回目以降 | 16,500円(税込) |
| 非会員 | 55,000円(税込) |
| 高圧発電所 | 個別見積もり |
上記は、現地への駆け付けと一次調査の料金です。
修理部品、メーカー対応、機器交換、電気工事、保険申請に伴う作業などが必要な場合は、調査結果をご説明したうえで別途お見積もりします。
お問い合わせから復旧までの流れ
1.お問い合わせ
LINE、問い合わせフォーム、電話からご連絡ください。
次の情報があると、状況を確認しやすくなります。
- 発電所の所在地
- 発電所の容量
- パワコンのメーカー・型式・台数
- 監視画面のスクリーンショット
- エラーコード
- 異常に気付いた日時
- 単線結線図・ストリング構成図
- 現地写真
すべての資料がそろっていなくてもご相談いただけます。
2.遠隔確認
監視画面や設備情報を確認し、停止箇所や原因の可能性を絞り込みます。
3.訪問日のご案内
ご連絡から3営業日以内の現地対応を目安としています。
ただし、発電所の所在地、災害・故障の集中状況、担当者の予定などにより、対応までにお時間をいただく場合があります。受付時に訪問可能日をご案内します。
4.現地調査
パワコン、ブレーカー、配線、パネル、監視装置などを確認し、必要に応じてメーカーへ問い合わせます。
5.調査結果・改善方法のご説明
確認できた原因と、修理、保証対応、機器交換、通信機器更新などの対応方法をご説明します。
6.修理・交換・復旧
お見積もりにご了承いただいた後、必要な部品や機器を手配し、復旧作業を行います。
パワコン故障・発電停止の施工事例
遠隔監視でPCS停止を早期発見した事例
宮崎県日南市の発電所で、遠隔監視によってHuawei製PCSの停止を確認し、駆け付け対応を行った事例です。
発電量低下からメーカー保証交換につながった事例
PCSごとの発電量を比較し、小さな出力低下を早期に発見した事例です。メーカーへ確認し、保証による交換対応につながりました。
複数の原因で発電所が停止していた事例
監視設備が導入されておらず、PCS故障や通信線の断線など、複数の問題が発生していた発電所を調査した事例です。
3G停波後に通信機器を改修した事例
3G回線停波後に監視や通信へ異常が発生し、通信機器を改修して復旧した事例です。
落雷による設備故障を保険で復旧した事例
落雷によってPCSや周辺設備が故障し、動産保険を利用して復旧した事例です。
宮崎電力の故障調査・復旧対応
複数メーカー・さまざまな設備の対応経験
宮崎電力では、複数メーカーのパワコン、遠隔監視装置、通信機器、オプティマイザなどを扱ってきました。
特定メーカーだけに限定せず、発電所の設備構成に応じて幅広く対応します。
遠隔監視と現地調査を組み合わせて確認
遠隔監視の情報だけで判断せず、必要に応じて現地のパワコン、配線、パネル、監視装置などを確認します。
調査後の修理・交換まで一括対応
原因調査だけでなく、メーカー問い合わせ、保証対応、修理、中古品交換、リパワリング、通信機器交換、保険復旧まで相談できます。
施工会社がなくなった発電所にも対応
発電所を設置した施工会社やメンテナンス会社が廃業・撤退している場合でもご相談いただけます。
残っている設備資料、監視データ、現地設備などから構成を確認します。
全国の発電所に対応
宮崎県を拠点に、九州全域および全国の産業用太陽光発電所に対応しています。
低圧・高圧、メーカー、施工会社を問わず、まずは現在の設備状況をお知らせください。
パワコン故障・発電停止に関するよくある質問
監視画面が止まっています。発電も止まっていますか?
通信だけが停止し、発電は継続している場合があります。
一方で、通信停止中にパワコンも停止している可能性があるため、売電メーターや現地設備を含めて確認する必要があります。
ブレーカーを上げても大丈夫ですか?
操作できる場合でも、原因を特定する前にブレーカーを上げると、停止時の情報が変わり、原因確認が難しくなることがあります。
また、異常が残った状態で再投入すると、再び遮断する可能性があります。まずはエラー画面やブレーカーの状態を撮影し、専門業者へご相談ください。
遠隔監視だけで原因を特定できますか?
監視装置の種類や取得できるデータによって異なります。
ストリング図、単線結線図、PCS型式などの設備情報があれば、原因を絞り込みやすくなります。最終的には現地調査が必要になる場合もあります。
他社が施工した発電所でも対応できますか?
対応できます。
施工会社やメンテナンス会社と連絡が取れない発電所についてもご相談ください。
パワコンが故障した場合、必ず交換になりますか?
必ず交換になるわけではありません。
部品修理、メーカー保証、同型中古品への交換、新品への全台交換などを比較します。
発電所が遠方でも対応できますか?
全国の発電所に対応しています。まずは発電所の所在地と設備情報をお知らせください。
まとめ
太陽光発電所の発電量低下や監視画面の停止が発生しても、原因がパワコン故障とは限りません。
通信異常、3G回線停波、ブレーカー遮断、ケーブル断線、出力制御、落雷、パネルへの影など、さまざまな原因が考えられます。
原因を確認する前にブレーカーを操作すると、エラー履歴や停止状況が変わり、調査が難しくなることがあります。まずは監視画面やエラー表示を記録し、専門業者へご相談ください。
宮崎電力では、遠隔監視による確認、駆け付け調査、メーカー問い合わせ、保証対応、修理、パワコン交換、通信機器更新、保険復旧まで一括して対応します。
